先日、ニュースを見ていたら残念な事が報道されていました。
みなさん、見たでしょうか?
福島市で交通事故の79歳の女性が、市内4病院の受け入れを拒否されて搬送に1時間かかってしまった・・・
女性は交通事故の約6時間後、外傷性の脳挫傷で亡くなられた・・・
という、事件です。
はい、コレは、事件です。
私は、そのとき、本人、家族の気持ちはもちろんのこと搬送していた救急隊の方の気持ちが・・・・
もう、なんともいえない気持ちです。
救急現場に駆けつけ、脳挫傷ですからおそらく頭に傷があったと思います。
搬送中は呼びかけに応じていた、と言うのですから受け入れ病院を探して、コールしていてる間に容態は悪くなっていると思います。
心臓、脳は、時間との勝負、という一面もあります。
いったん、血流が無くなっても細胞はすぐには死にません。
一種の、気絶状態になるので死ぬ前に血流が復活すれば細胞は復活することもあります。
その、時間との勝負のときに進まない、搬送先探し・・・悪化する状態・・・何もできないもどかしさ・・・・
本当に、もし自分だったら・・・と思うと、
なんとも言い表しがたい気持ちになります。
医療の現場にいると、
自分の力の無さ、を痛感する事があります。
他人が聞くと、どうしようもない事、という事でも
その場にいる本人にとっては、そうではないのです。
そうして、何にも変える事のできない経験、になっていくのです。
(まあ、経験にならない人もいますが・・・、あー終わった終わった、と)
福島市の女性は、市内4病院に延べ8回要請をしていたが断られたそうです。
単純計算で、2回づつ。
理由は、
「たまたま他の急病患者がおりICU(集中治療室)が満床だった」と説明した
・・・・だそうです。
その女性は
1時間後民間病院が受け入れをして6時間後亡くなられたそうです。
本当に、仕方なかったのでしょうか?
全ての病院のICUが満床だったのでしょうか?
そのときの救急外来が、”真の救急患者”、だったのでしょうか?
たまたま、どうしても救急が重なってしまいどうしようも無いこともありますが・・・・
私が、気になるのはネットの記事ですが
福島消防本部は「すぐに病院で治療を受ければ助かったかもしれない」としている。
この文章は、非常に気になります。
あんまり、こういう記事では聞かないような・・・
よっぽど、救急隊の気持ちが、対応に”納得”できないか・・慢性的に救急対応のできにくい地域なのか・・・
私は、救急隊のコメントからこのことを、”事故”ですますべきではないと
思います。
これは、”事件”として、原因、対策を立てないとその地域の人の医療に、安心、ができないと思います。
|
次へ
戻る